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鐘が鳴り、クラスメイトがぞろぞろと教室から出て行く中、机に置かれた白紙の入部届けと向かい合うその表情は曇っていた。
「吹奏楽…ソフトテニス…陸上…」
「一緒帰ろうって誘おうと思ったけど、蛍まだ決めてないの?」
未久が話しかけてくるも、蛍の表情は動じない。
「だってたくさんありすぎてわからんし」
「放課後ずっと遊んでたことは忘れてないぞ」
ばつが悪そうに拗ねるも事実であることに反論できない。
4月15日、入部届け提出日。酒匂蛍は悩んでいた。