読書設定

文字サイズ

背景色

フォント

方向

「ピンポンパンポ~ン…えー、この作品には以下の成分が含まれています。他作品のパク…パロディーネタ。メタ発言。…あの、これ全部読むんですか?飛ばしてもいいですか?あっ、いいの?じゃ、お言葉に甘えて。その他もろもろ含まれています。それでも「大丈夫だ。問題ない」という方は楽しんで読んでください。「大丈夫じゃない。問題だ」という方も楽しんで読んでください」
「何やってんの、クソ兄貴…」
「この作品がアニメ化したらここでオープニングが入るんだろうな」

第一章 オタクがモテないのは間違っている

朝起きるとまず初めにやることがある。それは…
「千尋~!今日もかわいいなぁ~」
妹(二次元)への朝の挨拶である。そのあとに妹(リアル)への「おはよう」の挨拶だ。普通の家庭ならここで妹(リアル)が「おはよう!お兄ちゃん!」という感じに笑顔で言ってくれるんだろうが家の場合、「ああ、うん」だ。まあ、この結果。俺は二次元に走り。妹(二次元)好きになりましたとさ。めでたし、めでたし。
「…腹減った」
 俺は朝飯を食うために1階のリビングに向かった。朝食はいつも妹が作ってくれる。妹の作る飯はうまいから楽しみだ。
「さて、今日の朝飯はなにかなっ」
声を弾ませてリビングの戸を開けるとテーブルの上にはトースト一枚と目玉焼きが皿の上におかれていた。
「えっ?」
俺は思わず声が出てしまった。その声はどうやら妹の耳にも聞こえたらしく「なに?」と険しい顔で睨まれた。俺はとっさに身構えて
「い、いえ…なんでもありません」
と借りてきた犬のようになってしまった。すると、妹は自分の学校の用意をすまし「じゃあ、行ってくるね。お昼は自分で何か買って」と言い家を出てしまった。俺はそれをすぐに追いかけた。何故かって?当たり前だろ…
「俺の昼食、前みたいに作ってくれよ!」
俺は玄関先で妹に聞こえるぐらいの大きな声で叫んだ。すると妹は顔を赤らめながら速足で戻ってきた。どうやらそう遠くまで行ってなかったようだ。
「な、なに大きな声で叫んでんだよクソ兄貴!私もう中学生になって、部活も入るから忙しくなるって言ったよね?」
確かにそんなこと言ってたような…俺は少し反省をしながらも妹に言い返した。
「でもよ?あれはなくねぇーか?なんだよ机の上に1000円札おいて『これでなにか買って食べて』って…せめておにぎりぐらい作ってくれよ?」
「あのね?さっきも言ったでしょ?まだ中学に入って一か月だよ?部活だって大変だし!いろいろと疲れてるの!ちゃんとしたお昼が食べたいなら幼馴染の唯花(ゆいか)ちゃんに頼めば?」
唯花とはさっき妹も言っていたが俺の幼稚園からの幼馴染だ。家も隣で親同士も仲が良いためいつも一緒に遊んでいた。小、中、高一緒でいまでも付き合いが続いてる。
「で、でもよ?俺はお前の弁当が食いたいんだよ?」
俺は少し上目遣いで頼んでみたが逆効果だったらしい。「まじ、キモイ」と言い、逃げるように学校に行ってしまった。
「なんだよ…しょうがない今日は何か買うか」
そう思い、家の中に入ろうとした瞬間「よう!」と後ろから声をかけられた。誰が声をかけたのかは大体予想はついていた。俺は振り返ると予想通りの人物がそこに立っていた。
「はぁ、なんだよ?けい」
「なに怒ってんだよ。…まあ、しょうがないよな(笑)。実の妹に『キモイ』って言われたらどこの兄でも傷つくよな」
この笑いながら問いかけてくるのは俺の小学校からの幼馴染の酒井啓喜(さかいけいき)だ。俺はこいつを「けい」と呼んでいる。そして、こいつは俺を「ゆう」と呼んでいる。本名は狗神勇樹(いぬがみゆうき)。
「はあ、なんだよ。いきなり来やがって。飯はないぞ」
「飯を食いに来たんじゃねーよ。迎えに来たんだよ」
「なんだよ、迎えに来たって…あっ、そういうことね…」
俺がそういうと啓喜は「な、なんだよ…」と言い喉をゴクリッと鳴らした。
「お前、唯花が好きなんだろ?俺と一緒に登校すれば唯花も来ると思って…」
最後まで言おうとしたが啓喜の顔がトマトみたいに真っ赤になりかわいそうと思ったのでやめた。だが、この反応から察するに本当に好きなんだな。まあ、前から唯花のことジロジロ見ているのは知っていた。
「というかお前、いつからあいつのこと好きだったんだ?」
「…ちゅ、中学の途中から…かな?」
「お、おう。そうか…」
聞いたこっちが恥ずかしくなっちまった。
…なんか気まずい雰囲気になっちまった…よし、こういう時は今期のアニメの話でもするか!
「なあ、今期ってなんか面白いアニ…」
「あ?面白いアニメ?そんなの約〇のネバーランドだろ!?」
「おお、早いな。その瞬発力キリト並じゃね?」
そう、この幼馴染の啓喜ことケイは俺と同じアニオタなのである。だが、それを知ってるのは俺だけ。なんでかって?それは俺とこいつがそういう関係だからだよ!言わせんな!
まあ、本当の理由は…

『プリキュアって面白いよな』
という、俺の独り言からだった。この俺の独り言にケイは
『やっぱり、初代のふたりはプリキュアだよな!』
と返してきたからだ。
その時俺の中でケイがアニオタだと確信した。

「なあ、ケイ。なんでお前は自分がアニオタだって隠してるんだ?べつにオープンでもいいんじゃないか?」
「いや、それだけはダメだ」
「即答だな…まあ、何となく理由はわかるぞ。お前は俺と違ってスポーツ万能のイケメンでクラスの皆からの信頼も厚い。そんなお前がアニオタだって知ったら…というところだろう」
ケイは少し顔をにやけ、何か安心したような顔を見せた。この瞬間、俺のもう一つの考えが浮かんだ…
「あとは、あれだろ?唯花に気づかれたら…っていう事だろ?」
俺は少し笑いながらいたずらをするように言った。どうやら俺の考えは当たっていたらしくケイの頬に一粒の汗が伝った。
「ケイって顔に出やすいよな」
「そ、そんなことは…」
「唯花にケイのことどう思ってるか聞いてみるか?」
「ちょっ、おま…」
そんなくだらない会話をしていると背後から「私がどうしたって?」と声がした。
「「うおっ!」」
俺とケイは同じ反応をした。その反応にご不満なのか唯花は俺だけの足を踏んできた。ドスッと鈍い音がした。めっちゃ痛い。
「な、なんで俺だけ!?」
「なんか…イラっとしたから」
「い、いや…やるならケイもだろ?」
「ケイ君はいいの…」
「あァァァんまりだァァァァ」
「ははは…」
ケイは乾いた笑いを見せた…どうやら唯花に踏まれたかったらしい。このドM。
「…ところで、なんでケイはこんな朝早くにこんな奴の家の前にいるの?」
「いや、それを言ったら唯花もだろ」
おお、ケイのナイスツッコミがさく裂した。しかも、今さらっと唯花もって言ったし。ここは俺も便乗しておくか…
「そうだよ(便乗)。ケイは俺を迎えに来たっていう建前を用意してお前に会い…」
ドスッ!ケイの肘が俺の横腹にさく裂!
「な!」
「おい…殺すぞ」
おお、こわいこわい。ケイの本気で怒ってる声二回目だけどやっぱり慣れないな。
確か、俺が初めてケイを怒らせたのって…二日前だったな。二日前も唯花関連のことで怒らせたよな~。成長しないな。俺。
そんな風に反省していると俺はとあることに気付いた。
「あっ!飯食ってない!」
「「馬鹿なの?」」
「やめて…二人から言われると傷つく」
「は~…早く食べてくれば?待っててあげるから」
「おう、さすが唯花だな」
「うっ、うるさい!…早く食べてきて!」
「おう!サンキューな」
「…」