>星のいる現実世界「今日のプログラミングの演習難しかったね~。」女子高生のつやのある茶色のショートカットにやさしいたれ目のほんのりと童顔の美少女、星とクラスメイトが、一緒に下校する。
「来週からもっと、難しくなるらしいよ。」
「も・・勘弁して・・・。」談笑しながら下校する。
>平行別世界
「はぁはぁはぁ。」黒い袈裟を着た陰極が、肩で息をする。全身からは、汗が吹き出し目は、血走っている。陰極は、黒に紐づけられている全ての異能(黒魔術・陰陽術・堕召喚(堕天使・カオス~ドラゴンなどの召喚)の根源の能力を持ってる魔術士で絶大な力を持ってた。黒魔術・陰陽術・堕召喚は、彼の魂が、消滅した場合全ての世界で消滅する。
陰極から少し離れた場所で、高僧顕正が、同じく、肩で息をする。全身からは、汗が吹き出していた。彼らは、転生陣と言われる特級魔術を使い戦っていた。この転生陣というのは、宗教術式の一種で、輪廻転生に介入して、自らの魂を様々な並行世界や過去未来に飛ばし、戦いを行うことでが、できる術式。両者は、魂を異世界に飛ばしながら勝負を繰り返していた。
>星のいる現実世界
「すまない、少し体をかしてくれ!」星の体に陰極が、憑依する。
「誰!」星の奥底から声が、星が、聞こえて反応する。
「どうしたのキラリ?」隣を歩いていたクラスメイトが、尋ねる。
「いや、だってさっき誰かが・・・。」もちろん、その場にいた誰にも陰極の声は、聞こえていない。
「キラちゃん!危ない!」車が、星目掛けて突っ込んでくる。よける暇なく、星は、車に引かれる。
>並行世界別世界
「うごっ。」陰極が、星のいる世界での交通事故という攻撃を受けて吐血して倒れ込む。
「やったか・・・。こちら、顕正転生戦で、相手を倒した。至急確認を。」顕正も肩で息をしながら、その場に崩れ落ちる。顕正は、陰極を追っている、召喚士たちに、連絡をおくる。連絡を受けた召喚士たちが、召喚獣を召喚して、陰極のいる場所へ向かわせる。召喚士の一個大隊が、陰極を捜索していた。他の召喚士たちも、召喚獣を各々の召喚して陰極を追っていた。
「いました!」一人の隊員が、陰極を見つける。すぐに他の隊員も陰極を見つけ、一個大隊の召喚獣たちが、陰極を取り囲む。
「陰極だな!」隊長が、陰極に語りかける。
「だったらなんだ?」
「今すぐ、魔装解除を行い投降せよ!」
「そんな、そんな、こと言える立場か?お前らは?」
「何?」
「全召喚。」陰極が、召喚術を使う。一回の詠唱で、100近い召喚陣が、立ち上がる。
「う・嘘だろ・・・。」通常、召喚士が、一回の詠唱で生み出す召喚陣は、一つ程度だが、それを陰極は、一気に100近くたちあげた。召喚士たちは、うろたえる。陰極を取り囲んでいたはずの召喚士たちが、逆に取り囲まれてしまう。
「さあ!諸君!魔装を解除してもらいたい!」陰極の覇気のある声が、辺り一面に響き渡る。
>星のいる現実世界
「星ちゃんもう少しで、退院できそうね。」病室で、スマホ画面を見ていた、星が顔を上げる。
「はい。」ナースが、笑顔で話しかけ、星は、笑顔で答える。
病室を出た、ナースが、同僚と話し合う。
「不幸中の幸いね・・・命には、別状が、ないだって。」
「そうね・・・。でもこれから大変ね・・・。」
星は、ナースが、病室を出るとともに、無表情になる。スマホ画面では、星が、あった交通事故が、報じられている。南都が、スマホでの24時間、民放やNHKの放送解禁に踏み切ったことに、応じて日本政府も一部、マスコミニュース番組をスマホでそのまま見ることできるようになっていた。南都は、今、日本政府と内戦状態にある自治組織で、暫定首都を奈良に宣言している。
番組内で、今回の交通事故について話合いが、なされていた。
「ほんと痛ましい事件ですね。」司会が、話を始める。
「そうですね。以前の埼玉の事故をきっかけに、免許の返還なども、進められていたのに、またこの事故ですからね・・・。」
「落合さん、今回の事故、自動運転技術搭載車によるものだということですが、これは、一体どういうことなんでしょう。」司会が、理系の大学教員に話を振る。
「いや、一応どこでも、自動運転はできるんですが、まだ不確定要素が、多い市道は、自動運転を利用すると逆に危ないんですよ。でも、今、自動運転以外にも危険運転回避補助の技術が、搭載されてきていますし、高齢者が、そういう車両に乗るようになれば、事故とかなくなると思いますよ。」
「いや、それは、甘すぎます。もう、これだけ高齢者により事故が、起きている限り、国が今より、さらに免許の返納をもっと推し進めていくべきです。」ジャーナリストが、食ってかかる。
「いや、何を言ってるんですか?公共交通機関が、これだけ破壊されつくされて、しかも高齢者の貧困が、深刻になっている今どうやって車なしで生活しろって言うんですか?社会は、自立を促しているのに免許の返納なんてことしたら駄目でしょ。」南都総裁坂本が、反笑いで釘を刺す。
星の携帯にコミュケーションアプリスカッター通知が、入る。同級生たちの足跡と返信が、送られていた。
「みんな、ごめん元気だよ。私は無事です。」一気に同級生たちにその呟きが、共有される。
「美々ちゃんが・・・。」
「え・・・。」星は、自分と一緒下校していた、美々が亡くなったことを知る。自分が、運ばれた病院と同じ病院に運ばれて、しかも隣の処置室で亡くなっていた。
>星の精神世界
元気にしてる?私は、元気。もうじきあなたに会えるのを楽しみにしてるからね。そうそう、私の大切な友達が、死んでしまったらから彼女も生き返らせてほしいの。
>星のいる現実世界
スカッターに、学校の先生から通知が、入る。
「こんにちは、これから昨日の宿題は、やってくれたかな?先生も、生徒のみんなも星ちゃんに会えるのを楽しみにしています。今日は、みんなでサツマイモを焼いて食べました。その時の写真を載せておきます。」
星は、あの事故以来当拒否をしていた。星には、深い傷が、残っていた。あの事故で星は、歩行能力を失っていた。回復は、絶望的と宣告されていた。科学の力に頼ることができない星は、オカルトに傾倒していった。そんな中、ソーシャルゲーム・A・Q・O(アーマ・クイーン・オンライン)に出会う。このゲームは、マルチにより爆発的人気を誇っていた。このゲームをして、このゲーム内の5代秘宝を集めれば、願いを叶えられると噂されていた。星は、さっそくそのスマホゲームを始める。このゲームは、スマホ内の電脳空間と自分の脳を神経接続し意識を飛ばして、プレイするゲームだったので、リボンと言われる脳と電脳世界を繋ぐ、器具を頭につける必要が、あった。このリボンは、髪飾り、のようなもので主に頭につける。
√A・Q・Oをプレイする。
星は、A・Q・Oの中に意識を飛ばす。
「ここは・・・。」星は、目を開く。
「ようこそ。アーム・クイーン・オンラインへ。私は、このゲームの運営会社スローゲーム株式会社の人工知能ライラです。このゲームのガイドガイドを務めさせていただきます。」
〈綺麗な、お姉さんやなぁ・・・。〉ライラは、清楚な受付のお姉さんといった感じの人だった。星は、見ほれる。
「では、武器と機体を選択してもらいます。」ソシャゲのガチャが、始まる。鋼鉄製の扉が、開き中から煙と共と共に、武器が、出てくる。
「おお!なんや。」星が、感動する。
「ムラマサ+ライトニング。ですね。」黒を基調にした刀に、稲妻の閃光走るデザインの武器だった。
もう一度ガチャが、始まる。鋼鉄製の扉が、開き煙が出てくる。
「山波ですね。」緑を基調とした人型の戦闘機が、姿を現す。
「おお・・・。」星は、その凛々しい姿に圧倒される。その後は、ゲームの説明が、続く。説明が、終わった後、目の前が、真っ暗になる。
・・・Now Loading・・・・。
「じゃあ、次は、山崎星。」
「え?」
「どうした?」突然、意識が戻った時には、クラスの中だった。
「なんや・・・。居眠りか・・・。先生聞いてませんでした。ごめんな。」
「?じゃあ、もう一回言おうか?自己紹介をお願いします。」
「あ。現実世界から来ました。山崎星です。こういうゲームは、初めてですが、よろしくお願いします。」
「はは、まだ、寝ぼけているのか?」他のクラスメイトから笑い声が、起きる。
〈?なんかおかしいこといったんかな・・・。〉星は、困惑する。
他のクラスメイトたちの自己紹介が、終わる。HRが、終わった後、後ろの席の女性が、話かけてくる。
「ねえ?模擬戦に興味ない?」話かけてきたのは、高子だった。彼女は、海底の底に引きずり込もうとするように碧い瞳に、吊り上がった、ウワマブタ、光を吸収するような灰色の美しい髪が、特徴的な、女性だった。
選択肢が、表示される。
1. 模擬戦に参加する。
2. 模擬戦に参加しない。
〈まだ、ゲーム始めたばかりやし・・・少し散策してからにしよか・・・。〉
2を選択する。
「そう、残念・・・。次は、きっと、模擬戦に参加してくれるよね。」
高子のハートゲージが、下がる。このハートゲージが、溜まれば、溜まるほどさまざまな恋愛イベントが、発生するシステムとなっている。
星は、教室を出て、図書室の中に入る。
「なんやこれ・・・。」図書室は、カウンターと机と椅子が、あるだけだった。
「あの・・・。」カンター付近で声を出すが人影がない。
「いらっしゃいませ。」
「うわ!びっくりした!」カウンターに置いてあったパソコンから声が、出る。星が、驚く。
「どのような、要件でしょうか?」
「あの・・・そうや、本を読みたい。」
「漫画、雑誌、本のうちどれを読みたいですか?」
「あ・じゃあ。漫画で。」
「検索をお手伝いします。どんな漫画を希望しますか?」
「おまかせで!」
「では、南都の最新刊なんていかかでしょうか?」
「じゃあ、そうする。」スマートホンでQRコードを読み取り、南都の漫画が、一週間スマホで読めるようになる。
「じゃあ、適当にここにでも座って読むか。」星は、 椅子を引いて座ろうとすると。
「模擬戦やらない?」
「うわ!びっくりした!」机の下から高子が、姿を現す。
選択肢が、表示される。
1、 絶対模擬戦に参加する。
2、 次は、絶対に参加する。
「なんや、この選択肢、何かがおかしいで・・・。」
〈でも、まだ、散策したいし・・・。〉2を選ぶ。
「ありがとう!次は、参加してくれるんだね!」高子が、笑顔になる。
「ごめんな、また。今度な。」
「うん、待ってる!」
高子のハートゲージが、さらにたまり、交際可能が、表示される。
〈あ~さっきは、びっくりしたなんかトイレ行きたくなってきたな。〉星は、学校のトイレに入る。トイレは、全て洋式便器になっていたので、中入り、便器の蓋を開ける。
「うわ!」
「あ!キラちゃん偶然、一緒に模擬戦やらない?」便器の中から、笑顔の高子が顔を出す。
選択肢が、表示される。
1、 今から模擬戦。
「あれ?一個しか、表示されてないで?」
〈なんや、このゲーム、ロボットゲームって聞いてたけど、ホラーゲームやん、とりあえず、トイレから出よ。あれ?〉星が、トイレの個室から出ようとすると、目の前にゲーム特融の見えない透明の壁が、現れてトイレの個室に、高子と2人きりで閉じ込められてしまう。
高子のハートゲージが、さらにたまり、妊娠可能と表示される。
〈え?なんや妊娠可能って、私女やで・・・。もうこのゲーム絶対おかしいは。〉星は、小刻みに震えながら1を選択する。
「ありががとう!放課後、下駄箱で待ってる!」笑顔で、トイレの便器の中へと高子が、消えてゆき、洋式便器の蓋が、閉じる。
星の目の前が、真っ暗になる。
・・・・Now Loading・・・・。
目の前に、模擬戦場が、現れる。
「これは・・・。」
「ここで、いつも模擬戦が、おこなわれているの。」目の前には、高子が、いた。星が、人型戦闘兵器山波に、乗り込む。
「左右上下に機体を動かしてみよう。」チュウトリアルを元に、星は、機体を動かしていく。
「おお!感動やな・・・。」
「銃撃で目標を破壊してみよう。」人型の射撃目標が、出現する。星は、ムラマサで目標を切り裂く。チュウトリアルを終え、機体から星が、降りる。
「すごい!むいてるんじゃないの?」高子が、星の操縦をほめる。
「まぐれやて。」星が、照れる。
「あの・・・。」
「はい?可愛い!」星が、思わず声を出す。そこには、紅い目に、たれ目の童顔低身長の幼女アイリスが、立っていた。
「いっちょに、勝負しませんか?」舌足らずのロリボイスで、星に勝負を挑んでくる。
「え?もちろん!いいですよ。」星は、アイリスを完全に舐めてかかる。
「ちょっと!その人は!」高子が、静止しようとするが、その前に模擬戦を始めてしまう。
「明らかおかしい・・・。」星の乗る山波の前に姿を現した機体は、山波の4倍近い巨大
な、機体だった。
〈へんや・・・武器どこや・・・。〉本来、このゲームは、人型戦闘機体と武器の装備で成り立っているはずだが、アイリスの機体は、武器を所持していなかった。山波は、高速で移動して、アイリスの機体、アファーナトスの裏側に回り込む。
〈やっぱりや、機体ででかすぎで、動けんのや。〉
「貰ったで!」そのまま、山波は、斬りかかる。しかし、アファーナトスは、びくともしかあった。
「なんでや・・・。」
「そんな、攻撃効かないよ!」アイリスの機体から、衛星兵器が、飛び出す。空間に散らばった、衛星兵器から、レーザーが、星の機体に襲いかかる。
「こんな、攻撃ありか?」星の機体は、アイリスの機体に攻撃を加えるどころか、逃げ惑う。レーザーに、星の機体は、被弾を繰り返していく。そして、撃墜されてしまう。
「キラちゃん、大丈夫?」高子が、目の前に現れる。
「あ!そうか、撃墜されたんや・・・。」目を開くと教室内だった。
「残念だったね。でも、気にする必要ないよ。あの人、廃課金おじさんだし。」
「え?廃課金?」
「そう、あの機体も機体レアガチャっていう、超高額のぼったくりガチャで手に入れたらしいよ。」
「そう・・・ええな・・・あの機体・・・。憧れるわ・・。アイリスおじさんを目標にこれからがんばろ。」
「いや、正気?それは、やばいって。あの人、このソシャゲのガチャに課金しすぎて、借金までして、離婚した人だよ。」
「え・・・。」
「しかも、もう40代。何考えてるんだろう。」
教室で、アイリスが、話かけてくる。
「さっきは、ありがとうございました。」
「いえ、それにしてもすごい機体ですね。うらやましいは・・・。」星が、うらやましがる。
「いや、そんなことないよ。」
「相当、ガチャ回したんですよね。」
「そうだね。なんなら、ガチャおごろうか?」
「本当ですか?でもなんか悪いは・・・。」
「いや、いいいよ。気にしないで、そうだ。スカッターの番号教えてよ。ガチャとかの説明に必要だから。」アイリスは、星のコミュケーションアプリの番号を聞いてくる。
「え・・・。でも、それは、ちょっと・・・。」
「え?なんで、なんで?機体レアガチャおごるからさ、100連でもいいよ!」
「いや、100連でも、連絡先は・・・。」
「俺、さ相模原市に住んでるんだよ。君は・・・。」
「私の住んでいるところは・・・。ちょっと・・・。」
〈ん?なんや。〉おじさんの写真が、送られてくる。
「俺、さ歳の割に若く見えない?何歳ぐらいに見える?」
「え・・・そういう質問は・・・。」また、写真が、送られてくる。
〈ヴヴヴヴヴヴヴ!〉モザイクなしでは、見れないような写真が、送られてくる。星は、迷わずアイリスおじさんをブロックする。
「ごめんな・・・。私は、そういう趣味ないんや・・・。」
「ねえ、キラ何か言われた。」少し離れていた、高子が、寄ってくる。
「ツーちゃん。」星は、高子に泣きつく。
「あ~。もう、何も言わなくても予想つくは。」
・・・・Now Loading・・・。
「ん?なんや?」
「え?」星の目前が、真っ暗になり、目を開けると現実世界だった。
「あれ?え?」スマホ画面を見えると、強制的にログアウトされており、脳との神経接続も切断されていた。
【アカウントの不正利用が、通報されたためにアカウントを凍結させていただきました。ご連絡や質問は、こちらまで。】アイリスの不正通報により、星のソーシャルゲームアーマー・クイーン・オンラインのアカウントは、凍結されたのだ。
「そんな・・・あまりにもひどいで・・・。もう、こっちも意地や!負けてたまるか!こうなったら廃プレヤーになってやる!」星は、間髪入れずに運営に、実情を説明する。すると、すぐに、アカウントの凍結が、解除される。
「あ・電池が・・・。」星は、充電しながらプレイしようかとも、思ったが、すぐに熱が、冷めログインを諦めた。
「高子ちゃんおはよう。」
「あ!星ちゃん、おはよう。」AQOにログインして、教室に入ると高子が、既にいた。
「朝から?」
「そうだよ?ツーちゃんも?」
「うん。」
イベント 部活勧誘。星は、AQOのストーリーを始める。
体育館に学園の生徒たちが、集められる。次々に部活動の説明が、ある。
「はじめまして、私たちは、南都政策研究会です。」メイド服姿の眼鏡をかけた女性、坂本が、檀上で話始める。
「私たちの活動は、日本政府を倒し、革命を起こすことです。そして、遷都開闢をし、奈良県に首都南都を建てます。そして、経済的格差をなくすために、税制改革を行い。税収のメインを消費税ではく、法人税と所得税、宗教法人税資産課税、金融取引税、にします。さらに、財政健全化のために、宮内庁及び、男女共同参画局を廃止します。さらに、財政健全化の一環として、日銀の異次元の金融緩和を止めると同時に、年金基金による民間企業の株式の購入量も大幅に削減します。さらに、移民政策を本格的に実施し、第二の開国を行います!この移民政策は、多くの人を救うこととなるでしょう、世界には、今なお、住むとことすらままならないような、人が多くいます。そのような人々を祖国で語学教育を施したうえで、優秀な語学力を持つ人間を受け入れます。これにより、世界の貧困問題の解決、さらに、日本の独身男女が、子供を持たないことを世間から責められることもなくなります。いや、むしろ南都政府は、これ以上子供を産まないことを奨励しています。今、世界の人口は、爆発的に増え、富どころか、食料すら行き渡らない状態です。この状況で、子供を増やせば状況は、さらに悪化します。よって南都政府は、世界から悲惨の二文字をなくすためにも、これ以上子供を増やすことを奨励しません。そして、移民には、納税の義務と引き換えに参政権を付与し海外との移民獲得競争に競り勝ちます。興味のある方は、社会科準備室にお越しください!」
「なんか、興味ある部活あった?」高子が、星に尋ねる。
「ん~、得になかったけど、ちょっと、南都政策研究会は、気になったかな・・・。」
「え!!あれが!嘘!」
「いや、ちょっとやで、ちょっと・・・。」
「やばいって、あの坂本ってひと、なんでも電脳自殺した人らしいよ。」電脳自殺とは、オンラインの世界と自らの脳の神経接続を遮断し、現実世界の肉体を捨て、意識をオンライン世界に留める自殺行為で、電脳法3条で、規制されている。
「え・・・。そうなん。」
「まあ、あくまでも噂だけどね。」
星は、南都政策研究会を訪れる。ノックをすると中から返事が、する。
「あら、こんなクソ熱い中、こんな弱小クラブに何の用ですか。」メイド服を着た、ピンク髪の美少女ミヤビが、出迎える。
「そうですね。こんなゴミみたいなクソクラブよりももっといいクラブいくらでもあるはずなのに。」双子のようなそっくりな声と目をしたセシリアが、立ち上がる。
「お、お客さんだね。能面の学生服姿の男性が、振り向く。」
「あの・・・ここが南都政策研究会ですか?」
「そうだよ。セシリアお茶をご客人に。」
「やれやれ、この時代に自体錯誤な女性にお茶を入れさせるなんて馬鹿な命令を出すなんてどうしようもない御主人様ですね。でも、仕方なく入れてあげます。」
「あ、ごめんやで、自分で入れるからお気遣いなく。」星が、自分でお茶を入れようと立ち上がる。
「いや、結構です。ご客人。」
「じゃあ、本題といこうか、この部活動は、この腐敗した社会に革命を起こすべく、動いている部活動だ、経済的格差の是正を最優先にしながら、脱原発や、米軍基地の撤退・移民政策などを求めて活動している。」能面を被った部長世阿弥が、説明を始める。
「この世界も現実世界と似た制度が、あるんや。」
「この世界に民族や国家の枠組みが、存在します。」ゲーム機から目を離さないままの、ミヤビが、話に入ってくる。
「我々は、その枠組みを変えようとしているんだ。どうだ、入部してみないか?」
「そうですね。入部してみたいです。」
「ちなみに、どうして入部しようと?」
「実は、私事故で、歩けなくなってしまったんや・・・。」
「そうか・・・。」
「昔は、当たり前のように、彼氏が、出来て、当たり前のように結婚して、当たり前のように、子供が、出来ると思ってたんだや・・・。でも、今の私にそれが、出来るんやろうか・・・。私は、部長の女性の出産からの解放が、胸に響いたんや・・・確かにそれは、わがままかもしれん、でも、世界の人々を貧困から救うことになるやったら、そこまで悪い気もせえへん。」
「今、世界を救うヒーローに必要なことは、何だと思う?」
「え?そりゃ・・・。世界を滅ぼす悪いモンスターを倒すことやと思うけど・・・。」
「いや、ほんとに必要とされていることは、マジョリテイからいじめらている人を助けることだよ。経済的に困窮しているが、自己責任の元に非難されている男性、性犯罪加害者、放火魔、テロリスト弁護、こういう人を救うことのできる人こそが、真のヒーロなんだ、真のヒーローとは、世界中の誰も一切、助けてくれない人を助ける人のことだよ。そして、今、世界には、真のヒーローが、いない。だから、俺たちが、助けるんだ!」