実在を疑われてなお魑魅魍魎が人を脅かし、人知れず対抗する退魔師が存続している現代。退魔師一族の末裔たる少年春充は、父冬馬に並ぶ実力を持ちながら面倒事を嫌い、家督の継承を拒んでいた。彼はある日、父との口論を経て家出を決行。寝床に困る彼は同級生の美佳に家へ誘われ、彼女の厚意へ甘える事に。
美佳は不気味という理由で同級生から疎外されており、人間関係に無頓着な春充だけが友人。春充は両親と死別した彼女がボロ屋に一人暮らしだと知り、不用心な態度に苦言を呈す。美佳は卑下を重ね、彼女なりの恩返しだと捉えた春充は一晩の宿泊を決定。その晩、美佳の話し声で目覚めた彼は、彼女の先祖が自身の先祖と敵対していた呪禁師だと知る。
警戒しつつ朝を迎えた春充は美佳に詰問。彼女の話相手は亡き父剛造の霊だと発覚する。春充に自分を招いた目的を問われ、狼狽した美佳は隠していた重病が露見。彼女の一族は先祖が受けた呪い返しにより、末代まで短命の呪いを負っていた。観念した美佳は自身が常に瀕死であり、周囲の人間から生命力を奪って生き長らえている事を告白。唯一の友人に嫌われたくない一心で隠していたと明かす。事情を知った春充は解呪を提案するが、その難易度は常識の埒外。戸惑う彼に対し、美佳は剛造が眠る昼の内に逃げろと勧める。実は昨晩、美佳は剛造から春充の利用をした一族抹殺を唆されていたが、春充に恩のある彼女はそれを拒んでいた。呪禁師かつ怨霊の剛造は並の退魔師が倒せる相手ではなく、稽古を嫌い実戦経験のない春充は怖気づいてしまう。だが彼は呪いに苦しみながらも他人を気遣う美佳の死を認められず、事情を隠して実家へ戻り、自身の実力を磨き上げる事を決意する。
焦る春充は学校にも行かず実戦に明け暮れ、彼の改心を訝っていた冬馬も成長を認める。だが美佳は春充の解呪習得前に危篤へ陥り、弱った彼女を見た春充は堪らず冬馬に協力を要求。冬馬は解呪の反動を恐れて春充を遠ざけようとするが、春充は彼女を救えぬ力なら自ら血筋を絶やすと宣言する。その際、彼は呪いの対象が美佳の一族である事を思い出し、覚悟を認めた冬馬の協力を得て家督を継承。儀式上で美佳を娶り、彼女を呪いの対象から外す事に成功する。目覚めた美佳は久方ぶりの再会を喜び春充へ感謝。だが、日没と共に目覚めた剛造が彼女の肉体を奪ってしまう。
呪いを恨み死んだ剛造の望みは復讐であり、娘だけが助かる事を許せない。美佳の病身を酷使して復讐を果たそうとする彼に憤る春充は、冬馬と共に剛造と対峙する。除霊と憑依の鼬ごっこが続く中、共に生きる事を互いに望む春充と美佳が呼応。春充の除霊と連携し、美佳が剛造を葬る事で美佳の一族は滅亡する。
家を継いだ春充は退魔師の仕事を担う事になるが、冬馬の配慮で学校生活は続行。快復した美佳も協力を申し出、二人は平穏の中で親交を深めようと互いに誓い合うのだった。